[NEWS] ディスプレイ市場調査結果〜富士キメラ総研発表

008年第4四半期からの劇的な生産調整は2009年2月下旬より回復基調に入っている。主力デバイスであるTFTのライン稼働率(G6以上)は6月時点で韓国メーカーで80-90%、台湾大手で70-80%まで上昇しており、9月までは高稼働を維持するとの見方が多い。
成長要因として中国の家電普及政策(家電下郷)、セットメーカー、流通業者におけるリストックの再開、北米需要の底打ちの兆しなどがあげられるが、実需の回復は2010年以降となる可能性が高く、2009年後半の生産調整が懸念されている。
需要の先行きが不透明な中、世の中の趨勢は「低価格商品の提供」が本流となりつつある。各種ディスプレイデバイスの価格競争も厳しさを増しており、企業間の提携や事業規模縮小などの動きが活発化している。
注目市場として、3Dディスプレイは2008年に15億円、2009年に33億円、2014年には1,969億円になると予測している。
2009年は、3D元年と呼ばれ急激に3Dディスプレイ化の流れが強まっている。その背景として、3D映画が増えてきたことが挙げられる。2004年-2007年の間に7作品であった3D映画は、2008年には6作品となり、2009年には10作品以上が上映される見込みである。FPDでは、倍速表示やFull HD化などが急速に進み、次の技術革新のテーマとして省電力化と並んで「3D」が挙がっている。2009年内に3D対応Blu-rayの規格化が決まる見通しで、また、2009年6月に決定したHDMI1.4の規格では3D表示に対応するなど、続々と規格が決まり参入しやすい土壌が出来上がってきている。
2008年は、PCモニタ向けと公共表示・産業用途が市場を牽引している。Hyundaiから初の3D対応TVである「E465S」が北米と日本で販売されたもののコンテンツが未整備であることから実績は少ない。2009年は、日立製作所が3D携帯電話「Wooo H001」を出荷しており、2010年以降も年に2~3機種新製品が登場すると見込まれる。2009年には、3Dカメラが登場し、それを表示するための3Dデジタルフォトフレームが期待される。まだ統一規格が無いために、当面は3Dカメラとのセット販売に留まると想定される。PCモニタは、今後もヘビーユーザー向けに期待が持てるアプリケーションであるが、PCモニタ市場の7-8%程度(1,000万台前後)の限定的な需要に留まるとみられる。2010年からパッシブ方式の液晶TVも登場する見込みであるが、2014年までは3Dの映像放送は非常に限定的とみられ、ハイエンドホームシアター需要に留まると予想されるとしている。